健康診断

作成2017.11.10
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南極観測隊員として南極に行くためには健康が第一です。
夏期間(南半球ですので日本とは逆です)には59次隊の医師、 前次隊である58次隊の医師、砕氷艦しらせの医官がおりますが、 越冬中は59次隊の医師2名のみです。
また、昭和基地の医療設備にも限界があります。
そのため採用前に綿密な検査を受けます。
観測隊(越冬隊)の健康診断は2日間にわたり行われます。
私は越冬隊なので2日間受けましたが、夏隊の方に聞いたところ1日だったそうです。
健康診断にあたり事前に問診表などを提出します。
検査項目はざっと下記のようなものでした。

2017.01.30

1日目は大宮にて精神科の検診を受けました。
事前に記入した問診票や心理テスト(MMPI、YG検査)を提出し、その後脳波の測定、頭部CTや問診を実施しました。
精神科を実施するということは、越冬中は一日中日が昇らない極夜で体調を崩すなどありますので心の強さも必要、ということでしょうか。

大宮厚生病院

大宮厚生病院

2017.01.31

2日目は内科、眼科、歯科、耳鼻科の検診を受けました。
内科と眼科は代々木病院にて実施し、いわゆる人間ドックで身長・体重といった基礎データから、尿、便、肺活量、心電図、胃カメラ、採血等々たくさんの検査を実施しました。
眼科は眼底検査まで実施するのでサングラスを忘れると散瞳薬の効果で歩くことも大変です。
午後からの歯科(東京医科歯科大学歯学部付属病院)では定期検診と同じように歯の状態を調べられます。歯科で引っかかる人が多いようです。
南極には歯科医がいないので、しっかり直しておく必要があります。
耳鼻科(熊埜御堂耳鼻咽喉科)では目をつむって片足立ちや目をつむって歩くなどバランス感覚の検査が多く行われました。

代々木病院

代々木病院

丸二日検査となると結構大変です。
また、ここで引っかかってしまうと南極には行けません。(再検査できますが、再検査で引っかかってしまうとだめです)
今後南極に挑戦する方は風邪を引いた日などは避けてもらったほうが良いと思います。(再検査になると自分が辛い思いをするので)
実際に検査で不合格となってしまう方もいらっしゃるようです。

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