VLBIという観測をご存知でしょうか?
簡単に言うと電波星の電波を地球上の異なる場所で受け、その差分時間を求めることにより距離の違いが判るといったものです。下図をご覧いただいたほうがわかりやすいですね。(国土地理院)
VLBI観測は国土地理院や国立天文台が行っている観測です。
国土地理院は測地系、国立天文台は天文系の観測を行っているようです。その違いをうまく説明できるほど専門家ではないのですが、測地は地球状の位置を図るための観測。天文は天体物理学などの観測に使われているようです。
詳しくは国土地理院のホームページに記載がありますので興味のある方はご参考までに。
国土地理院
地球の球面を表示するモニュメント、意外と地球って丸いですね。
VLBIの研修は座学、アンテナ・処理装置の見学(石岡局)を国土地理院の宇宙測地課様に実施いただきました。
昨年測量士補を取得したこともあり、国土地理院には一度来たいと思っていましたのでいよい機会となりました。
普段なかなか行くことのできない機器室内も見せていただくことができました。
他局との差分時間を距離に換算する観測ですので、非常に高精度な時計が必要です。以前別の訓練でも勉強した水素メーザー(1秒当たり10^-13の精度)を使用しています。
以前は32mの巨大なアンテナが国土地理院の敷地内にあったそうですが、残念ながら2017年の初頭に撤去されてしまったそうです。
解体された32mアンテナ設備に副反射鏡等
その解説
見学させていただいた石岡局は広帯域の受信システムを有しており、昭和基地など旧設備ではSバンド、Xバンドのみであったものとは桁違いの電波を受信しています。
その分データ容量も多くストレージの管理が大変そうでした。
石岡局アンテナ
日本の位置決定はここの石岡局が基点となっています。
VLBIの基準点
実地の見学の後は座学を受講し、そのあと地図と測量の科学館を見学しました。
伊能忠敬の地図を拝見し、
当時の測量機材(再現)なども展示してありました。
古地図等の展示もありかなり楽しめる展示です。つくば方面にお出かけの際はぜひご訪問を。
おまけ
お昼はいちむらという定食屋さんでラーメン定食をいただきました。